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雇用関係助成金における生産性要件とは

近年、生産性の伸び等が加算の支給要件になっている雇用関係助成金が出てきました。

この生産性について、正しく理解しておかないと加算されるはずが、要件を満たせず不支給となることがあるので注意が必要です。

今回は雇用調整助成金における生産性要件について、令和元年10月1日の情報を基にまとめてみました。

Ⅰ.生産性とは

雇用関係助成金において「生産性」とは、助成金申請事業所の財務諸表の勘定科目のうち「人件費、減価償却費、動産・不動産賃借料、租税公課営業利益」に該当するものの額を合算することによって事業所が1年間に生み出した「付加価値額」を求め、それを「労働者数(雇用保険被保険者数)」で除すことによって求めたものをいいます。

\begin{align*}
\normalsize{生産性=\frac{付加価値額(=人件費+\textcolor{blue}{減価償却費}+動産・不動産賃借料+\textcolor{blue}{租税公課}+\textcolor{blue}{営業利益})}{労働者数(=雇用保険被保険者数)}}
\end{align*}

ただし、企業会計基準を用いることができない事業所(以下「企業外事業所」という。)においては、上記の勘定科目がそもそも存在しない場合もあるため、各々の会計基準に合わせる必要があります。

Ⅰ-A.個人事業主の場合

「人件費、減価償却費、動産・不動産賃借料、租税公課青色申告特別控除前の所得金額」に該当するものの額を合算することにより、事業所が1年間に生み出した「付加価値額」を求める。
  • 「青色申告特別控除前の所得金額」とは、青色申告決算書の「売上(収入)金額」から「売上原価」及び「経費」を差し引いた額に、「各種引当金・準備金等」の「繰戻額等(貸倒引当金)」から「繰入額等(専従者給与及び貸倒引当金)」を差し引いた額を合算した金額をいう。

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Ⅰ-B.医療法人の場合

「人件費、減価償却費、動産・不動産賃借料、租税公課事業収益」に該当するものの額を合算し「事業費用」に該当する額を差し引くことにより、事業所が1年間に生み出した「付加価値額」を求める。
  • 「青色申告特別控除前の所得金額」とは、青色申告決算書の「売上(収入)金額」から「売上原価」及び「経費」を差し引いた額に、「各種引当金・準備金等」の「繰戻額等(貸倒引当金)」から「繰入額等(専従者給与及び貸倒引当金)」を差し引いた額を合算した金額をいう。

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Ⅰ-C.社会福祉法人の場合

「人件費、減価償却費、動産・不動産賃借料、租税公課サービス活動増減差額」に該当するものの額を合算することにより、事業所が1年間に生み出した「付加価値額」を求める。
  • 「減価償却費」には、国庫補助金等特別積立金取崩額を含む。
  • 「サービス活動増減差額」は、「サービス活動収益」から「サービス活動費用」を差し引いた差をいう。

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Ⅰ-D.学校法人の場合

「人件費、減価償却費、動産・不動産賃借料、租税公課教育活動収支差額」に該当するものの額を合算することにより、事業所が1年間に生み出した「付加価値額」を求める。
  • 「教育活動収支差額」は、「教育活動収入」から「教育活動支出」を差し引いた差をいう。

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Ⅰ-E.NPO法人の場合

「人件費、減価償却費、動産・不動産賃借料、租税公課経常収益」に該当するものの額を合算し「経常費用」に該当する額を差し引くことにより、事業所が1年間に生み出した「付加価値額」を求める。

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Ⅱ.生産性要件とは

支給申請を行う年度の直近年度とその3年度前の生産性を比較することによって算定した伸び率(「生産性の伸び」)等を生産性要件とする。

\begin{align*}
\normalsize{生産性の伸び=\frac{支給申請を行う年度の直近年度の生産性}{支給申請を行う年度の直近年度の3年度前の生産性}}
\end{align*}

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Ⅲ.勘定科目における留意点

Ⅲ-A.製造業の場合

  • 「営業費用」の中の「販売費及び一般管理費」のほか、「営業費用」の中の「売上原価」の中の「当期製品製造原価」の下位科目としても計上されているので、後者についてはその内訳書である「製造原価報告書(明細書)」又は総勘定元帳からその額が転記されていること。
    なお、これに該当する場合には算定シートに記載される勘定科目の名称の頭に「(製)」と付されること(例:「(製)減価償却費」)。

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Ⅲ-B.建設業の場合

  • 「売上原価」の中の「完成工事原価報告書」又は総勘定元帳から転記されるが、建設業以外も兼業している場合は「兼業事業売上原価報告書」の中にも含まれているのでそこからも転記されていること。
    なお、これに該当する場合には算定シートに記載される勘定科目の名称の頭に「(工)」(兼業分は「(兼)」)と付されること(例:「(工)租税公課」)。

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Ⅲ-C.個人事業主の場合

  • 「算定シート」の「①青色申告特別控除前の所得金額、②人件費、③減価償却費、④動産・不動産賃借料、⑤租税公課」に該当する勘定科目は、青色申告決算書の損益計算書を構成する項目であるので、その額が転記されていること。
  • 勘定科目は、A年度(直近年度の3年前年度)とB年度(直近年度)で共通である必要があるので、算定の対象期間の途中で科目が変更になった場合でも計上する対象の範囲が同一となること 。

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Ⅲ-D.医療法人の場合

  • 「算定シート」の「①経常収益、②経常費用、③人件費、④減価償却費、⑤動産・不動産賃借料、⑥租税公課」に該当する勘定科目は、財務諸表のうちの正味財産増減計算書を構成する項目の下位科目であるので、通常では正味財産増減計算書の内訳書などからその額が転記されていること。
  • 勘定科目は、A年度(直近年度の3年前年度)とB年度(直近年度)で共通である必要があるので、算定の対象期間の途中で科目が変更になった場合でも計上する対象の範囲が同一となること。

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Ⅲ-E.社会福祉法人の場合

  • 「算定シート」の「①サービス活動収益、②サービス活動費用、③人件費、④減価償却費等、⑤動産・不動産賃借料、⑥租税公課」に該当する勘定科目は、計算書類のうちの事業活動計算書を構成する項目の下位科目であるので、通常では事業活動計算書の附属明細書などからその額が転記されていること。
  • 勘定科目は、A年度(直近年度の3年前年度)とB年度(直近年度)で共通である必要があるので、算定の対象期間の途中で科目が変更になった場合でも計上する対象の範囲が同一となること。

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Ⅲ-F.学校法人の場合

  • 「算定シート」の「①教育活動収入、②教育活動支出、③人件費、④減価償却費、⑤動産・不動産賃借料、⑥租税公課」に該当する勘定科目は、財務諸表のうちの事業活動収支計算書を構成する項目の下位科目であるので、通常では事業活動収支計算書の内訳書などからその額が転記されていること。
  • 勘定科目は、A年度(直近年度の3年前年度)とB年度(直近年度)で共通である必要があるので、算定の対象期間の途中で科目が変更になった場合でも計上する対象の範囲が同一となること。

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Ⅲ-G.NPO法人の場合

  • 「算定シート」の「①経常収益、②経常費用、③人件費、④減価償却費、⑤動産・不動産賃借料、⑥租税公課」に該当する勘定科目は、財務諸表のうちの活動計算書を構成する項目の下位科目であるので、通常では活動計算書の内訳書などからその額が転記されていること。
  • 勘定科目は、A年度(直近年度の3年前年度)とB年度(直近年度)で共通である必要があるので、算定の対象期間の途中で科目が変更になった場合でも計上する対象の範囲が同一となること。

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Ⅳ.人件費における留意点

Ⅳ-A.企業会計基準を用いている法人等の場合

基本事項

  • 基本的には、従業員の給料、諸手当、賞与に相当するもののほか、「法定福利費」(社会保険料など)、「福利厚生費」であるが、臨時アルバイトなどの給与である「雑給」や、社内研修などの費用である「研修費」「教育訓練費」が特に設けられている場合はそれも含まれること。
    なお、役員の報酬、賞与、法定福利費、退職慰労金その他手当などは算定に含めないこと。

「退職金」「退職慰労金」

  • 従業員の「退職金」「退職慰労金」は、損益計算書上の「販売費及び一般管理費」に計上されている場合は「人件費」として算定に含めるが、「特別損失」等に計上されている場合は算定に含めないこと。

「通勤費」

  • 「通勤費」は諸手当の一種として人件費に該当するが、出張旅費などの「旅費交通費」(通勤費を「旅費交通費」の中に含めている場合を含む)は人件費に該当しないものとすること。

「派遣労働者に係る派遣手数料」

  • 派遣労働者に係る派遣手数料(「外注加工費」などの勘定科目で計上することが多い)は、人件費に該当しないものとすること。

「製造原価報告書(明細書)や完成工事原価報告書に計上される人件費」

  • 製造原価報告書(明細書)や完成工事原価報告書に計上される人件費は、通常「労務費」としてまとめられているので、算定シート上でも「(製)労務費」「(工)労務費」としてまとめて計上することが可能であること。
    ただしその中に「労務外注費」が含まれている場合はそれを控除すること。
    なお「経費」としてまとめられている中に現場労働者以外の「人件費」が含まれる場合はそれを別途計上すること。

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Ⅳ-B.個人事業主の場合

「人件費」

  • 基本的には、従業員及び専従者の給料、諸手当、賞与、法定福利費(社会保険料など)に相当するもののほか、「福利厚生費」が該当する。

「退職金」「退職慰労金」

  • 従業員の「退職金」は、青色申告決算書上の「給与賃金」の一部として算定に含めるが、事業主及び専従者の「退職金」は、経費算入が認められていないため算定に含めない

「通勤費」

  • 「通勤費」は諸手当の一種として人件費に該当するが、出張旅費などの「旅費交通費」(通勤費を「旅費交通費」の中に含めている場合を含む)は人件費に該当しないものとすること。

「派遣労働者に係る派遣手数料」

  • 派遣労働者に係る派遣手数料は、人件費に該当しないものとすること。

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Ⅳ-C.医療法人の場合

「人件費」

  • 基本的には、従業員の給料、諸手当、賞与に相当するもののほか、「法定福利費」(社会保険料など)が該当するが、「非常勤従業員給与」、「福利厚生費」、「研修費」及び「教育訓練費」に類する科目が特に設けられている場合はそれも含まれること。
    なお、役員の報酬、賞与、法定福利費、退職慰労金、その他手当などは算定に含めないこと。

「退職金」「退職慰労金」

  • 職員の「退職給付費用(退職金)」等は、正味財産増減計算書上の「経常費用」に計上されている場合は「人件費」として算定に含めるが、「経常外費用」等に計上されている場合は算定に含めないこと。

「通勤費」

  • 「通勤費」は諸手当の一種として人件費に該当するが、出張旅費などの「旅費交通費」(通勤費を「旅費交通費」の中に含めている場合を含む)は人件費に該当しないものとすること。

「派遣労働者に係る派遣手数料」

  • 派遣労働者に係る派遣手数料は、人件費に該当しないものとすること。

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Ⅳ-D.社会福祉法人の場合

「人件費」

  • 基本的には、職員の給料、諸手当、賞与に相当するもののほか、「法定福利費」(社会保険料など)であるが、「非常勤職員給与」、「福利厚生費」、「研修費」及び「教育訓練費」に類する科目が特に設けられている場合はそれも含まれること。
    なお、役員の報酬、賞与、法定福利費、退職慰労金、その他手当などは算定に含めないこと。

「退職金」「退職慰労金」

  • 職員の「退職給付費用(退職金)」等は、正味財産増減計算書上の「経常費用」に計上されている場合は「人件費」として算定に含めるが、「経常外費用」等に計上されている場合は算定に含めないこと。

「通勤費」

  • 「通勤費」は諸手当の一種として人件費に該当するが、出張旅費などの「旅費交通費」(通勤費を「旅費交通費」の中に含めている場合を含む)は人件費に該当しないものとすること。

「派遣労働者に係る派遣手数料」

  • 派遣労働者に係る派遣手数料である「派遣職員費」は、人件費に該当しないものとすること。

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Ⅳ-E.学校法人の場合

「人件費」

  • 基本的には、教員及び職員の給料、諸手当、賞与に相当するもののほか、「法定福利費」(社会保険料など)が該当するが、「福利厚生費」(教職員に係るものに限り、学生生徒に係るものを除く。)、「非常勤職員給与」、「研修費」及び「教育訓練費」に類する科目が特に設けられている場合はそれも含めること。
    なお、役員の報酬、賞与、法定福利費、退職慰労金、その他手当などは算定に含めないこと。

「退職金」「退職慰労金」

  • 教員及び職員の「退職金」等は、事業活動収支計算書上の「教育活動支出」に計上されている場合は「人件費」として算定に含めるが、「教育活動外支出」又は「特別支出」等に計上されている場合は算定に含めないこと。

「通勤費」

  •  「通勤費」は諸手当の一種として人件費に該当するが、出張旅費などの「旅費交通費」(通勤費を「旅費交通費」の中に含めている場合を含む)は人件費に該当しないものとすること。

「派遣労働者に係る派遣手数料」

  • 派遣労働者に係る派遣手数料は、人件費に該当しないものとすること。

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Ⅳ-F.NPO法人の場合

「人件費」

  • 基本的には、従業員の給料、諸手当、賞与に相当するもののほか、「法定福利費」(社会保険料など)、「福利厚生費」であるが、「非常勤従業員給与」、「研修費」及び「教育訓練費」に類する科目が特に設けられている場合はそれも含まれること。
    なお、役員の報酬、賞与、法定福利費、退職慰労金、その他手当などは算定に含めないこと。

「退職金」「退職慰労金」

  • 従業員の「退職金」等は、活動計算書上の「経常費用」に計上されている場合は「人件費」として算定に含めるが、「経常外費用」等に計上されている場合は算定に含めないこと。

「通勤費」

  • 「通勤費」は諸手当の一種として人件費に該当するが、出張旅費などの「旅費交通費」(通勤費を「旅費交通費」の中に含めている場合を含む)は人件費に該当しないものとすること。

「派遣労働者に係る派遣手数料」

  • 派遣労働者に係る派遣手数料は、人件費に該当しないものとすること。

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当該記事は、内容をざっくりと掴んでいただくことを目的にしている為、不完全な場合があります。
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